注目される治療方法と費用

 

がんの治療費はやはり大きな問題ですが、それより、どれだけ効果の高い治療が受けられるかということの方が、当然ながらもっと大きな問題となります。

 

がんの治療法は毎年急速に進歩していますが、注目すべき治療法は患者にとっては非常に重要です。

 

現在では放射線療法、免疫細胞療法、血管内治療、生体肝移植などが注目されていますが、放射線療法は、放射線に対して正常な細胞よりがん細胞の方が弱いという点を利用した治療法です。これでがん細胞には大きなダメージを与え、正常な細胞には最小限のダメージしか与えないようにするわけです。

 

実際には、重粒子線治療、強度変調放射線治療(IMRT)の2つがあります。これはまさにハイテク治療で、治療中の痛みもなく、傷跡も残りませんし、副作用も少なく、治療後の社会復帰も早いとされています。

 

問題はその治療費ということで、先進医療として認められた施設で治療するわけですが、自己負担分が約300万円程度もかかります。放射線療法と並ぶ免疫細胞療法も注目の治療法で、こちらでは体にメスを入れず、患者の肉体的負担が少ない活性化リンパ球療法と樹状細胞療法で治療していきます。

 

人間の免疫をコントロールする細胞の中でがん細胞に対する攻撃をするリンパ球を患者の血液から採取して培養・活性化させてから、患者の体内に戻す方法で、短時間でがんを小さくする効果はありません。

 

しかし、副作用が殆どなく、有効な人には長期的効果も期待できる上、既存の治療法と組み合わせても力を発揮することになります。

 

これも気になる治療費ですが、先進医療認定施設でもさまざまのようです。大体ですが、1クール6回分の治療で150万円~180万円あたりが想定され、免疫細胞療法の治療費以外に別途診察料、検査料が発生することもあります。

 

こうした先進医療でも、現在では病院から厚生労働省へ届出すれば、その他の通常診療分は健康保険の適用が受けられます。ただ先進医療自体は健康保険の適用外なのが厳しいところです。